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2009年3月31日 (火)

卒業ー自分を褒めたい

  今日は卒業式にふさわしい穏やかな晴天に恵まれた。主は今日で38年間お世話になった職場を去った。

 女子マラソンの有森さんがオリンピックで銀メダルに輝いたとき、「頑張った自分を褒めてあげたい。」という有名な言葉を残したが、今日の主はまさにその心境である。

 38年の永きにわたって走り続けて、今日無事にゴールした自分を褒めたいと思う。

 主は高校卒業の文集に稚拙な詩を残したのを思い出した。

 「回転木馬」

 大きな木馬。小さな木馬。かわいい木馬。醜い木馬。いろいろな木馬が来ては去り、去ってはまたくる。われの人生この中にあり。われはこれに乗り、そして大きな獲物を追う。いつ捕らえるかわからぬ獲物を永遠に追う。

 確かこんな詩だったように思う。主は還暦を過ぎてもなお、いまだ獲物の尻尾すら捕らえていない。

 この38年はいったいなんだったのか。卒業が近くなってずっと考えているけれど答えは見つからない。

 それでも職場のみんなは暖かく送ってくれた。ある仲間は真紅のバラの花束まで用意してくれた。感謝感謝である。

 明日から新しい人生の始まり。主の寿命がいつまであるかわからないけれど、生かされている間はしぶとく生きたい。

 新たな生活は仙人のようにと願う主だから、自然のままに土を友に生きようと思う。皆さんのご支援をお願いしたい。

416w800  友人ご夫妻から贈られたバラの花束。片付けられた机に置いた。

 この机も今日でお別れ。今朝早く最後の雑巾がけをした。

 「立つ鳥、後を濁さず」。卒業である。

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2009年3月30日 (月)

卒業前夜

 今日は、3月30日。卒業まで後一日を残すだのみとなった。今夜の主は自分でも不思議なほど平穏である。もっと興奮するかと思っていたけれど、まったく冷静で拍子抜けするほどだ。

 今日で与えられていた仕事はほぼ終了した。身の回りの荷物もすべて持ち帰ってきた。後は、明日、卒業証書をいただくのみ。これで38年にわたる職業人生が終わる。

 主の健康を考えると明日の卒業式を迎えられるのは、まさに奇跡だ。夢のまた夢のように思う。

 昭和46年4月からの38年は、主にとってなんだったのか、今すぐに総括することは出来ないが、そのうち何かが見えてくるだろう。

 しかし、少なくとも、今現在も「主は生きている」ということだけは、紛れも無い事実である。

 今生きている主に乾杯。これからも生き存える主に乾杯。

415w800  今夜は卒業の前夜祭。

 ちょっと変わった茶碗で茶を点てた。

 落柿窯作「緋襷茶碗」。見込みの緋襷が鮮やかである。正面に一本の緋襷。胴はところどころ緋色。

 この茶碗は、もともとは飯茶碗だが、茶を点てると立派な茶碗に変わった。

 

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2009年3月29日 (日)

窖窯の楽しみ

 夜になって冷え込んできた。明日の朝はいっそう冷え込む予報が出ている。遅霜にも注意が必要だ。

 さて、卒業後の主の楽しみの一つに窖窯での完全酸化焼成がある。今までも目標は完全酸化焼成であったが、いつも上手くいくとは限らないから、焼成はまちまちであった。卒業を機に、土を考え、窯焚きの方法を見直して目標に近づけたいと思っている。

 今夜は、今までで比較的満足のいく焼成の作品をひとつだけアップしてみたい。

412w800_2  落柿窯作「備前徳利」。

 完全酸化焼成の徳利である。肩から首にかけて被せになっており緋襷が出ている。被せの無い肩から胴にかけて窖窯特有の胡麻が降っている。緋襷から続く部分の胡麻は糸胡麻状だ。

413w800  火裏に当たる方向から見ると緋襷の様子と窖窯の緋色が良くわかる。いづれも美しい色合いを見せている。

 こんな焼成ばかりが出てくれば言うことは無いけれど、現実はなかなか思うようにならない。したがって、目標はいつも同じである。

 落柿窯の酸化焼成の作品群は「備前落柿窯作品集」に登載しているからご覧いただければ嬉しい。

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背黒セキレイを友に

 今日も相変わらず寒い日が続いている。今朝も一面の霜原が広がっていたから相当冷え込んだのだろう。伸び出した木の芽も、開きかけた桜の花も戸惑っているに相違ない。

 しかし、日が昇るとさすがに霜もすぐに消えるし、陽射しは暖かい。

 今日は午前中、畑に有機石灰と鶏糞をまいてトラクターを入れた。トラクターのあとを追って背黒セキレイが餌をついばみに来る。いつもの春の風景に心が和む。セキレイは平気で近くまで寄ってくる。

 昔、ある備前焼老作家が、川釣りの竿先にカワセミがとまったことがある。その時、老作家は、やっと自然と同化できたと感じたという。主は、まだまだその境地には達していないけれど、まさに理想である。

400w800  いつでも野菜の植え付けができる状態が整った落柿窯の畑。

 畑の周囲に日本ミツバチの待ち巣箱を4箇所に置いた。春の分封時に群れが入ってくれることを期待して待つことにしよう。

404w800  周囲の田圃では春の田起しが盛んである。

 これも春の風物詩だ。

 北風は冷たいけれど、少なくなった麦畑の上空では雲雀の囀りが聞こえる。

402w800  春、弥生も終わりを迎えて、タンポポもオオイヌノフグリも満開。

 これで北風さえ収まれば春爛漫なんだが・・・。

401w800  そろそろ雑草が伸びてきた。草刈の季節が始まる。

 これから秋まで何度か草刈機を動かすことになるが、今年は今までと違い丁度良いタイミングを計ることができる。

 さて、今日は久々に何も無い日曜日だった。卒業後は毎日が日曜日だけれど、今日は在職最後の日曜日。工房であれこれと作品を見ていたら、ちょっと良さそうなコーヒーカップが出てきたので紹介することにした。

408w800  落柿窯作「備前コーヒーカップ」。

 正面は胡麻。この写真の裏側は窖窯特有の緋色。

 見込みは緋襷。

411w800  高台部分から見るとっ正面の胡麻が良くわかる。吹き付けられた胡麻が良く溶けている。

 ソーサーは木製の茶托を使うとお洒落だと思う。備前はコーディネイトで雰囲気がずいぶん変わるから、使う人のセンスかものをいう焼き物でもある。

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2009年3月28日 (土)

海辺の町へ

 今日も寒さが続いている。新婚の若夫婦が落柿窯に来てくれたので、海辺の町にあるいつものお店に昼の食事に行った。

394w800  若い二人はどちらも都会暮らしが長く、なかなか新鮮な魚を食する機会が無いようで、このお店のお刺身に舌鼓うを打っていた。帰宅したらつつましい生活が待っているから、たまには本物を味合うのも良かろう。

 さて、この寒さはいつまで続くのやら・・・。この分では、結局桜の見ごろはいつもどおりになりそうだ。

384w800  昨日お邪魔した姉の家の小さな庭でボケの花が見ごろになっていた。

 以前、落柿窯の古い家の庭先に大きなボケの木があって、この季節になると濃いピンクの花を咲かせていたけれど、その木も今は無く、落柿窯の今の庭にもボケの木を植えたいと思っている。

397v800  海辺の食事から帰る途中、近所の産直市に寄って桃の花を買った。

 この間の窯から出た四方花器に入れて工房に置いたら、工房に春が来た。

 今日は、昨日ほどの風も無く、春霞の一日だったが、まだまだ寒い。

 春よ来い、早く来い・・・。

 

 

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2009年3月27日 (金)

お祝いの宴

 今日も冬型の気圧配置で寒い一日。そんな中、甥が先日入籍したばかりの花嫁さんを連れて帰省したから、早速、今夜は身内だけのお祝いの会を開いた。場所は主が親しくしている日本料理のお店「藤ひろ」。

389w800  この店は店主自らが有機無農薬で自家栽培した新鮮な野菜を使っている。

 今夜は特に祝いの宴ということでおしどりや鶴をかたどった器を使ってくれた。細かな心遣いに感謝である。

 料理は、いつものとおり美味かったし、足の悪い者がいるため座敷に机と椅子を設えてくれた。これも感謝だ

387w800  店内には、備前の火鉢と思しき花器に春の花が活けてある。

 外は花冷えで寒いけれど、店内は春爛漫。これも店主の心遣いであろう。

 ちなみに、店主は無類の焼き物好きで、自らも土を捻り備前を焼いていると聞いた。

 

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2009年3月26日 (木)

花冷え

 今朝、起きてみると、あたりは一面の霜原が広がっていた。出勤の車の温度計は2度と表示していたから相当冷え込んだようだ。明け方は快晴の清浄な空気に包まれて凛とした風情であった。

377w800  田圃も畑も凍りついた朝。

 3月も終わりに近づいて、桜が咲く頃の寒さは「花冷え」といわれるけれど、今朝の冷え込みは予想以上に強かった。

 今月中はこの寒さが続く予報だから、咲き始めたソメイヨシノも驚いているだろう。

 そんな訳で、昼休みに職場に近い公園の桜を見に行った。

379w800  冷たい北風が強くて桜の開花スピードが鈍っているようだ。本来なら開花から一週間でほぼ満開になるが、ココの桜はちらほら咲きの木が多く、満開は入学式の頃になるかもしれない。そうなればうれしいが・・・。

381w800  こんな花冷えでも落柿窯の工房は春爛漫。

 頂き物の「カサブランカ」が次々に花を開いて香しい香りが工房の中一杯に広がっている。

382w800_2  香しいユリの花も良いが、主はやはり野の花を好む。

  野の花を入れるには備前の一輪が一番・・・ということで、今夜は「瓢一輪」の第二弾だ。

 この瓢は胴を窪ませてアクセントを付けている。

 庭で咲く藪椿が似合うだろう。

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2009年3月25日 (水)

またしても寒の戻り

 「春が来た」と油断していたら、強い寒の戻りになった。明日から週末にかけてより寒くなる予報が出ている。そんな中、主の卒業まで後六日。27日は所要でお休みをいただいているから、出勤日は残り三日しかない。「いよいよ来たな」という感じだ。何とか最後まで体が持ってくれたようだ。最後まで頑張りたいと思う。

 さて、今日は、東京の「ナズナのかあさん」から素敵な敷布が届いた。先日のひな祭りにアップした雛人形の敷布がタオルだったのを哀れんで、わざわざ手作りして贈ってくれたのもだ。早速、敷き替えた。

375w800  ナズナのかあさん作「春の敷布」

 薄いピンクから濃いピンクに色合が変化する。

 ひな飾りはもう少しで終わるから、次は何を載せようか・・・。

 

 そこで探し出したのがこれだ。

372w800  木南知加選作「布袋香炉」。

 長年、主が使ってきたから全体にヤニが浮いている。良いできである。焼成も良い。

 主は、これまで同じ作品でこれ以上のものを見たことが無い。

373w800  敷布の全体。

 手作りの暖かい感触が心地よい。

 「ナズナのかあさん」に感謝、感謝。

 

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2009年3月24日 (火)

春の花を活ける器

 春本番が近くなった所為か、草木がいっせいに花を開きだした。それに合わせて日本ミツバチが活発に飛び回っている。日本ミツバチは、花を選ばず活動するから、その蜜は百花蜜と呼ばれる。遅まきながら、主も畑の周囲に待ち巣箱を置いた。

 春になって、花が咲き始めて喜ぶのは日本ミツバチばかりではない。それは人間も同じ。園芸種は別にして、春はいろんな花が咲くjから、花好きにとってはたまらない季節だ。道端に咲く雑草の花でも愛おしく思い、つい摘んでは家に持ち帰り、小さな一輪に挿すことになる。

 そんな時、備前の一輪は最適。

371w800  落柿窯作「備前瓢一輪」。

 4寸ほどの小さな瓢。置く場所を選ばない。たとえ花が無くても、これだけ置いても十分絵になる。

 

 

 野の花を入れた備前の一輪は、生活に潤いと安らぎを与えてくれるはずだ。

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2009年3月23日 (月)

澄んだ朝

370w800  二十四節気の清明にはまだ少し早いけれど、今朝は澄んだ朝が広がった。すがすがしい夜明けだ。細い三日月が浮かぶ午前5時半ごろの東の空。

 昨日は暖かい雨になったけれど、今朝は天気が回復して少し冷えた。今週は寒の戻りがあるらしい。特に週末にかけては、北部では雪の予報も出ている。

 この寒の戻りで、開きかけた桜もちょっと一服か。余り早いと四月の入学シーズンまで持たないから、少し冷えても桜が長持ちしてくれるほうが嬉しい。

 さて、今夜は落柿窯の取って置きの湯飲みを紹介する。

368w800  落柿窯作「備前湯呑み」。

 胡麻が溶けきらず、いわゆる榎肌になっている。

 主は、この濃厚な焼けが好きで、何とかこれを安定して出したいと常々思っているけれど、稀にしか出ない。

369w800  裏面は見事な紫蘇色で片身代わりになっている。

 ちょっと荒めの土で作ってあるから口辺部に小さな石爆ぜがあるが、これがまたひとつの景色になっている。見込みも紫蘇色で、いかにも備前といえる雰囲気だ。

 こんな濃厚な焼けは、主が窯を持ってからまだ数えるほどしか出ていないのが残念である。

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2009年3月22日 (日)

春雨の庭

 春雨の一日。朝から暖かい雨が降ったりやんだりの鬱陶しい天気だ。雨の割りに気温は高い。外は生暖かい空気に満たされている。一雨ごとに暖かくなっていくのが良くわかるけれど、この春は雨が多い。その分、気温が高いから温暖化が進んでいるのであろう。

 雨に濡れた庭は、しっとりしていて晴れの日とはまた違った良さがある。

 落柿窯の庭は手を入れた庭ではないから、木々は伸び放題で元気な木が生き残り、弱い木は淘汰される。今までにも、いつの間にやら消えてしまった木もある。もったいないことをしたという思いも強いけれど、これも自然の摂理だと納得するしかない。

 今日は久しぶりに何も無い落柿窯の庭を写した。

362w800  木々の芽はまだ硬く、しだれ梅は盛りを過ぎた。庭のあちらこちらで咲く椿が殺風景な庭にかすかなアクセントを与えているのがせめてもの救いであろうか。

 もうしばらくすれば、もみじが芽吹き、沙羅が芽吹くから、庭が美しさを取り戻すけれど、今は落ち葉と落花が主役だ。

363w800 雨の庭に自作の壷を置いた。

 落柿窯作「備前流れ胡麻壷」。

 枯れた庭に雨に洗われた竜のひげの緑が鮮やかなコントラストを見せる。しっとりと濡れた庭は柔らかい。

366w800_2  備前の壷は床の間に置くのが普通だけれど、こうして庭に置いても良く似合う。

 自然のものは、自然の中がいいということか・・・。

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新しいパソコンの試運転

 昨日届いたノートパソコンを動かしている。従来のデスクトップパソコンとネットワークを組んでいるヵらデータの共有も可能になっている。

157w800  共有ファイルから画像も取り込めた。

163w800  いろいろなところがXPと違うので戸惑うが慣れるしかないね。

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2009年3月21日 (土)

鶏糞の匂い攻撃

 今日は朝から抜けるような青空が広がった。バルンも春の空中散歩を楽しんでいた。北風が多少吹いているものの、比較的穏やかな風だから寒くは無い。しかし、今日はどこの畑でも次の野菜の植え付け準備のために大量の鶏糞をまいているようで、その匂いがすさまじい勢いで襲ってくる。せっかくの晴天だから窓を広く明け放っていたら、部屋中、鶏糞の匂いに包まれて昼飯どころではなかった。せっかくの晴天なのに、これでは窓も開けられない。田圃や畑に囲まれた落柿窯では致し方ないのだが、この匂いは、やはり嬉しくは無い。今も部屋の中に匂いが進入してくる。

 さて、今日は先日購入したノートパソコンが届いた。今までのパソコンは有線で使っていたが、2台目となる今度のパソコンは無線ランにした。2台のパソコンでデータを共有できるように設定していただいたが、設定はずいぶん複雑で、完了までにほぼ3時間を要した。この作業はとても素人にはできそうも無い。よほど詳しい人で無いと無理なようだ。おかげで2台のパソコンが使えるようになったが、肝心の工房まで無線が届かない。やはり有線にするしか方法が無いようだ。

360w800  新しいノートパソコン。

361w800 、Vistaは能力が高いので、その分重くて動きが鈍いといわれているけれど、このノートパソコンは結構能力だ高いから、そんなにストレスにはならないだろう。

 工房で使うには早く有線を引いてもらう必要があるけれど、先日お願いした工事屋さんは、今、転勤や引越しのシーズンだからいつになるかわからない。

359w800  青空も今日まで。明日は雨。その後、寒さが戻るという予報だから体調管理が難しい。卒業までは、主も十分気をつけようと思う。

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2009年3月20日 (金)

光の春

 春は日差しが急激に強くなるから「光の春」とも言われるが、今日の北風も夕方近くにはおさまって春の光が戻った。

 春分の頃ともなると、陽がずいぶん長くなっているから、午後5時を過ぎても太陽はまだ高い。落柿窯の周りは春・春・春で一杯だから、今日も備前を春の草むらに連れ出した。

356w800  「オオイヌノフグリ」に囲まれた備前の素朴な美しさは焼締め陶の真骨頂だ。

 自然と共にありたいと願っている主には、野菜を作り、備前陶を作っていくのが一番だと思う。

358w800  流れ胡麻の壷も自然の中では自然の一部に溶け込んでいく。

 酸化焼成の作品であろうと、還元焼成の作品であろうと、ただ土を焼いただけの無釉陶の素朴さは自然そのものである。

 卒業目前にして、主はなぜか疲れ気味だ。だんだん夜更しができなくなってきた。こんな時は寝るに限る。

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春分の日

 今日は春分の日。ここ数日は暑さを感じる程の気温になっていたけれど、春分の今日は寒い北風に変わった。ほころびかけていた桜の蕾も首をすくめているに違いない。満開だったさくらんぼの花は北風に散っている。

 それでも、午前中はまだ暖かかったから畑に出てトラクターを動かした。

353w800  冬野菜の収穫が終わってそのまま放っておいた畑がやっと整理出来た。隣の畑はずいぶん前から整理されていたからずっと気になっていたのだが、これで何とか夏野菜の計画が立てられる。後は鶏糞を入れ土を作る作業があるけれど、いったん耕しておけば次の作業もはかどる。

 畑の隅にあるさくらんぼの花にたくさんの日本ミツバチが来ている。もしやと思い急ごしらえで巣箱を置いた。

355w800  この巣箱に分封した日本ミツバチが来てくれればラッキーだが、確立は1~2割らしい。

 これからこの周りはいろんな花に囲まれるから何箇所か巣箱を置いて待とうと思う。

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2009年3月19日 (木)

最後の晩餐ー鮨食いねえ・・・

 今夜は、主が所属する職場の仲間が退職する主ともう一人の同僚のために送別の晩餐会を開いてくれた。

 場所は、市内から約20キロほど東にいったところにある知る人ぞ知る江戸前鮨の店「ひさ田」。

 主の知る限り、この周辺でこれほどの鮨を食わせてくれるところはほかに無い。一度いってみたいと思っていたところ、仲間の好意でこの店を選んでくれた。

 結果は、申し分ない鮨であった。仲間の一人に「言葉は要らない」と言わしめたほどのできである。

 今日の鮨の中からいくつかを紹介したい。

337w800  最初の鮨。

 この店は江戸前鮨だから。シャリは人肌でネタはすべて一仕事されている。

343w800  7皿目。

 一人一貫ずつではあるが十分満足できる。

345w800  8皿目。

 ネタはすべて瀬戸内海物。それも近海物であった。

346w800  9皿目。

 素材の持ち味を十分に残しながら生臭さを限りなく消してあるところはすばらしい。

 この味にはめったに出会えないと思う。

348w800  今日の鮨でもっとも驚かされたのがこれ。

 ネタはなんとチーズ。食感はまるで白子のよう。口に残るほのかなミルクの風味が好ましい。

349w800  12皿目。

 静岡産芽ネギ巻き。

 口の中をネギの風味が整えてくれる。これも初めての味。

351w800  最後に出されたデザートは自家製の「餡ころ」。上品な甘みが絶妙であった。

 このほかにも、先に一品料理が数品出されたが、いずれも良い仕事であった。さすが根強い人気の店だけのことはある。

 後10日ほどで職場を去る主にとっては文字通り「最後の晩餐」であった。

 仲間たちに感謝、周りのみんなに感謝。

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2009年3月18日 (水)

ぽかぽか陽気ー黄砂と花粉の二重奏

 今日は20度を越えるぽかぽか陽気。主は所要でお休みしていたから、この陽気に誘われて久しぶりに備前を外に連れでした。

318w800_2  ずいぶん伸びたフキノトウと並べると備前のよさが良くわかる。

 自然の中にある備前はベストマッチだ。釉薬が無いから自然の中でも自然のまま。

 落柿窯作「備前片身代徳利」。

323w800  落柿窯の工房前においてある昔の石臼の縁に置いた碗。

 窖窯の緋色が春の陽光に照らされて美しい。

 備前は外の光の中でより一層輝く。

325w800  j還元焼成された宝瓶。

 これは室内のほうが良いようだ

 。しかし、備前の素朴さと豪快さは石臼にひけをとらない存在感がある。

 

 明日からまた天気が崩れる予報なので、夕方、水と花それに線香をもって墓参りに行った。

 墓も周りの山々も黄砂と花粉で霞んでいる。沈みかけている太陽も霞の中であった。

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2009年3月17日 (火)

食器の楽しさ

 備前焼が苦戦している中でも、食器は、比較的安定しているようだ。毎日の食事に使う器だから、壷や花入れに比べて必要度が高いからだろうが、使うことで日々変化して行くから、使う楽しみが大きいことも人気要素の一つであろう。。

 主も自作の器を使いながら変化を楽しんでいる。

 現在、主が使っている食器の中で、表情が変わっていくのを楽しみにしている皿がある。

315w800  落柿窯作「備前緋襷中皿」。

 6寸5分の酸化焼成の皿。日々使うのにちょうど良い大きさだ。

 見てもわかるように、表面の微妙な色合いの変化が気に入って良く使う。

 残念ながら、この色合いは以後一度も出ない。緋襷もくどくなく、すっきりしているのが良い。

317w800  こちらは落柿窯では珍しい還元焼成の皿。

 落柿窯作「備前銀襷中皿」。

 窯の中で強還元にさらされた皿だから、通常赤く出る緋襷が銀化している。それでいて表面の色合いは不思議な変化を見せる。

 サイズは7寸。この皿も普段使いにベストの大きさだ。

 主は、この2枚の皿がどのように変わっていくのか楽しみにしているところである。

 

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彼岸の入り

 今日は彼岸の入り。「暑さ寒さも彼岸まで」といわれるけれど、彼岸に入った途端、今日の天気はまさにその言葉通りのほかほか陽気。室内よりも屋外のほうが暖かいくらいであった。すでに桜が開花したところもあるようだし、季節の歩みが急すぎるように思う。

 街のあちこちで沈丁花が香り、遊歩道の脇では花桃やコブシが満開。いよいよ春本番という感じだ。

 しかし、生き物にとっては、急に細胞が活発になってくる季節だから、人間では体と心のバランスを狂わすことが多い。木の芽時は注意しなければならない。

 さて、主は、今夜も相変わらず茶を友にしている。

312w800  今夜は久々に萩の大井戸茶碗を出した。大振りで豪快な茶碗であるけれどなぜか優しい。さすがに萩の茶碗は良い雰囲気である。

 今日の菓子はこのあたりでは珍しい近江の銘菓「走り井餅」。この季節らしく草もちに黄な粉を塗してある。形は船形を模しているらしい。

 上品で美味い餅であった。

 そうこうしているうちに退職が目前に迫っている。心配していた仕事も何とか目途がついたから、後は後任者に引き継ぐだけだ。

  

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2009年3月16日 (月)

最後の大根

 今シーズン最後となる大根を食した。落柿窯の主が作る野菜は、ほとんど手をかけないが健康だ。この冬のシーズン、畑では大根、白菜、蕪、ほうれん草、菊菜、チンゲンサイ、ラディシュ、水菜、ネギ、それに最近になって直径が20センチを越えるブロッコリーを収穫した。野菜たちは有機農法のおかげでどれも甘い。しかし、なにぶんにも主は一人暮らしだから、ほとんどの野菜は畑で花を咲かすことになる。冬野菜のシーズンも終わりだから、夏野菜の植え付けに向けて畑の始末をしなければならない。

 さて、今夜は、鬆が入る直前の大根を鶏肉と一緒に煮た。

309w800  大根の煮物。

 自作の碗に入れると大根の白さが際立つ。

 たっぷりと煮汁を吸った大根は、とろける柔らかさだ。これなら入れ歯爺の主でも十分に食することができる。

 今、畑ではチンゲンサイが花盛りだ。

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2009年3月15日 (日)

聖徳太子坐像

 主の姉が、昨年秋、ある聖徳太子ゆかりの寺の住職さんから聖徳太子像の制作を依頼された。しかし、姉にはそんな技量は無いから、知人を頼って何人かに制作を依頼していたところ、その中の一人の作家さんが応じてくれたらしく、口を利いてくれた知人が制作途中の聖徳太子坐像を見せてくれた。

304v800  6~7寸の大きさながら、見事な太子像に仕上がっている。まだこれからj細かい部分の制作が残っているらしいが、これだけでも驚く出来栄えだ。

 特にお顔は精密にできており、半眼に開いた目まで表現されているのには感服する。

 手に持つ尺は、取りはずせるようになっていた。

 衣服の細かい細工はこれから施されるようで、完成すれば見事な聖徳太子坐像になるだろう。

 完成が待たれるところだ。

301w800  特に精密に作られたお顔。人形は顔が命だから特に力が入っているように見える。

 このお顔は少年から青年期の聖徳太子を写している様で、美しいお顔に仕上がっている。

 これなら依頼主の住職さんもお喜びだろう。

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春空に気球が飛んだ

296w800  今朝は、嵐が過ぎた後の快晴の春空に、昨秋のバルンフェスタ以来、久しぶりに集団で気球が飛んだ。 

 今朝は春霞も無く最高のフライト日和だか、風が弱くコントロールに苦労しているように見える。

 それにしても、暖かい陽光を受けて気持ちよさそうに飛ぶフライトはちょっと羨ましい。

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2009年3月14日 (土)

新しいノートパソコン

 今日は、昨日から改装閉店セールが始まった電気量販店でノートパソコンを購入した。退職後は、母屋から工房に出勤することにしているから、職場となる工房で使うためのパソコンである。現在使っている母屋のルーターから無線ランで飛ばしたいところではあるけれど、どうも距離がありすぎて電波が届きそうに無い。そこで、母屋から工房までケーブルを引こうと思っている。

 それはさておき、今日買って来たPC は東芝ダイナブック。今流行の16:9の液晶画面を持ち、CPUはインテルCore2DuoプロセッサーP8600、動作周波数2,40GHz、メモリーは4GB、HDは250GBという優れものだ。

 さて、このPCを使いこなせる自信は皆無だけれど、軽四よりスポーツカーを好む主だからこの選択は致し方ない。

 とにかく値切りに値切って買ったから本当に動くかどうかは届いてみるまでわからないが・・・。まあ何とからるだろう。

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花盛り

 昨夜から今朝にかけて春の嵐が過ぎた後に寒さが戻った。膨らみかけていた桜の蕾もちょっと足踏み状態だろう。しかし、落柿窯の近所に植えられている2本のさくらんぼの花が満開になっているのを見ても本格的な春は確実に近いことを実感できる。

277w800  落柿窯からほんの100メートル程どのところにあるさくらんぼの木。

 気がつけばすでに満開になっていた。そういえば、昨年この花に日本ミツバチが群れていたのを思い出した。きっと今年も来ているに相違ない。この写真を撮った時間が遅かったから、今日はすでに巣に引き上げていたとみえて羽音は聞こえなかった。

279w800  ソメイヨシノとも山桜とも趣が違う花だ。近づくとほのかに香しい桜の香りがあたりに漂っている。

 主が植えているさくらんぼの木も今年は少しだけ花をつけている。この木とは種類が違うようでもっと花が小さい。

285w800  主が今使っているコンパクトデジカメでの接写はこれが限度。花を撮るにはチト無理がある。その上、風があるから枝も揺れる。

 花を撮るには風の無い日に三脚を据えて狙うしかない。

 やはり早くデジタル一眼が欲しい。

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2009年3月13日 (金)

卒業の季節

 今日は3月13日だから、主が出勤する日は後11日になった。最後の日は、たぶん退職の挨拶回りに終始すると思うから、仕事をするのは、ちょうど10日ということになる。

 いろんな方から、「寂しいでしょう」といわれるが、なぜか主にはその感情が湧いてこない。もともと3年ほどのつもりで入った会社に、いつの間にか38年もいたことになる。入社まもなく病を得たこともあって、これまで生きることのみを見つめて来ざるを得なかったから、ほかに何もできなかったというのが本当のところかもしれない。その間、多くの人に支えられ助けられたおかげでココまで来れた。今まで関わって来た人すべてに感謝したい。

 今後は仙人のように自然を友に暮らしていこうと思っているから、このブログが世間とつながる唯一の術になると思う。ブログが更新されている間は健在であると思っていただきたい。ブログの更新が終わる時、主は現世から卒業する。

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またしても春の嵐

 「春に3日の晴れ間なし・・・」といわれるほど、春は雨が多いけれど、特に今年は2月からよく雨が降る。今日も日本海を前線を伴った低気圧が進んでいるために全国的に荒模様の天気になっている。

 この雨で母屋の周りの草がぐんぐん伸びてきた。草刈に追われる日々も近い。

 さて、今夜もまたまた懐かしい徳利を見つけた。これは確か主が親しい作家さんの工房で遊ばせてもらっていた昭和56~57年当時、やっと徳利らしき形が挽け出したから、うれしくなって焼いてもらったものだ。

273w800  ほとんど首が伸びていない徳利だ。焼成は焚口近くに転がしでもらったようで、いわゆる備前の窯変になっている。一部は焦げて灰被りだから、これがちゃんとした形なら見応えがあっただろう。

 しかし、これはこれで主の焼き物史を知る上での貴重(?)な資料である。

 今日のような鬱陶しい天気も、「3月の風と4月の雨が、5月の美しい花を咲かす」と西洋のことわざにあるように、5月の美しい花を咲かす為には無くてはならないものだから、自然の営みに感謝したほうが良いのかも知れない。

 

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2009年3月12日 (木)

チリの葡萄

最近、スーパーの果物売り場にイチゴと並んで赤い葡萄が目につくようになった。日本ではこの季節に葡萄は無いから、たぶん、今が夏の南半球から来ているのだろうと思っていたら、やはりチリ産だった。表示には「レッドグローブ」となっている。

 葡萄好きの主はものめずらしさもあって、お試しに1パック買って来た。

270w800_2  チリ産「レッドグローブ」。

 ネットで検索してみると、糖度も高く、甘みも強くて美味い葡萄となっている。早速食してみた。なるほど、まずくは無いし甘みも結構ある。しかし、主はやはり日本の「キャンベル」のほうがいい。

 この葡萄はポリフェノールが多く含まれているので皮ごと食べると良いとのことなのでやってみたが、最後に皮の一部と種が口に残った。

 自作の備前の皿に盛ると、赤い葡萄のためか良く似合う。備前と色の相性が良さそうだ。

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2009年3月11日 (水)

水ぬるむ春

 今日は月に一度の診察日。午後から休暇をいただいて後楽園の近くにあるいつもの病院に行った。横を流れる旭川の川面が早春のそよ風を受けて細波を立て薄日に映えていた。

 主がこの病院にお世話になって、もうずいぶんと経つ。病院のスタッフは先生をはじめみな優秀だから、主が今もこうして居れるのもこの病院のおかげだ。感謝、感謝である。

266w800  水ぬるむ旭川。

 もうしばらくするとこのあたりで「素魚」が獲れだすはずだ。

 対岸の後楽園は今梅が見ごろ。桜の開花も今年は早そうだから、多くの人で賑わう季節になった。

 主はこのところ何かと気ぜわしくて、ゆっくり茶を楽しむ暇が無かったけれど、今夜は久しぶりに美味い茶を点てた。

267w800  自作の茶碗で点てる茶の味は、これもまた良いものだ。

 今日は銘々皿に片身代わりの豆皿を使った。菓子はスーパーで買った田舎饅頭。ちょっと興ざめだけれど、庶民の茶はこれで十分。何も「芭蕉庵」や「みずえ」の菓子を使うことは無い。

 今夜は、なぜかゆっくりした時間が過ぎる宵である。

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2009年3月10日 (火)

備前焼食器の定番

 最近の備前焼は定番であった壷や立派な耳付き花入れなどの人気が下降し、その地位を食器が取って変わったように見える。

 今、備前焼のふるさとである伊部の町を歩くと軒を連ねた窯元の店頭で壷や花入れと肩を並べてさまざまな種類の食器か並んでいる。

 「備前の食器でお勧めは何?」と聞かれたら、主は迷わず「湯呑み」「ビアマグ」「飯茶碗」と答える。この3つは今や備前の食器の「3種の神器」だと主は勝手に決めている。

 湯飲みもビア・マグも飯茶碗も実際使ってみるとその良さが実感できるが、いくら言っても仕方が無いので「百聞は一見に如かず」で一度使ってみることをお勧めする。

 それはさておき、主が作るビア・マグは基本的に二つの形がある。ひとつは高坏形高台のもの、もうひとつはベタ高台ですっきり立ち上がったものだ。

261w800  主が作るビア・マグはこんな形になる。

 落柿窯作「備前ビア・マグ」。

 焼けも形もお好み次第。どれを使ってもまず外れることは無い。

  備前のビア・マグを経験した人は一様に「ビールが美味くなる」という。

 

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2009年3月 9日 (月)

心豊かに生きたい

 一部の金持ちを除いて、庶民が豊かさを実感できない社会になって久しい。それと比例して焼き物業界、特に備前焼が苦戦を強いられる社会になってしまった。このところ、どこに行っても不景気な話ばかり。そんな中で少しでも心豊かに暮らす術を見つけることは、今を乗り切るための重要な要素であると思う。

 それは音楽であり、芸術でありはたまた備前のような焼き物であったりする。

高価なものでなくても自分が気に入ったものを身近に置くこともそのひとつであると思う。

 歴史を見ると、後世に残る芸術は、混乱した社会において生まれることが多い。これは、誰かが言っているように、「混乱した社会で信じられるものは芸術だけである・・・」からであろう。

 そんなわけで、主も慎ましく生きながらも、せめて心豊かに暮らしたいと願っている。すべての束縛から解放されて、自由気ままに時には土をこね、時には自然の中で野菜を作る。

 主にとってはこれこそ心豊かに暮らす術である。

主は今、何かの縁で備前を作るようになっているから、自宅では、ふんだんに備前を使える環境にある。世間から見ればこれほどの贅沢はない。

 しかし、主が使っている備前はすべて傷物。本来なら捨てられる運命のものだけれど、せっかく1200度の洗礼を受けてきたのだから、使えるものは使ってやりたい。そんな思いだから、母屋の食器棚には備前が溢れることになる。少しぐらい傷があっても使うことには差し支えないからかまわず使う。100円均一の器も使えないことは無いが、やはり手間隙かけて作られた器にはそれなりの豊かさが感じられる。

 落柿窯で今使っているものの中に「傘立て」がある。これももちろん傷物だ。傷があっても備前の傘立ては存在感は抜群だから、これを使うことでもちょっとセレブな気持ちになれる。

260v800  落柿窯の母屋の玄関に置かれた傘立て。

 贅沢極まりないと思えるけれど傷物だから価値はゼロ。しかし、使い方、使う人によっては価値がある。

 こんな小市民的豊かさを味わうことくらいしか庶民にはできない寂しい社会になってしまった。

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2009年3月 8日 (日)

シンプルな形は難しい

 主が碗の形を目標の一つにしてからまだ日が浅いけれど、なかなか思う形が出来ないでいる。年末の窯でも何種類かの碗を焼いたけれど、どれもイマイチであった。それでも使うには特に支障があるわけではない。ただ、主がイメージする物にはなっていないだけだ。

258w800  落柿窯作「備前緋襷碗」。

 3寸5分と4寸の重ね焼きの碗である。

 どちらも緋襷は良く付いている。

251w800  重ね焼きの内側の碗。緋襷が高台と胴の部分を中心に付くことになる。

253w800  見込みには重なる部分が無いから、緋襷はどうしても薄くなる。しかし、このほのかな赤も捨てがたい魅力だ。

256w800  一方、重ね焼きの外側の碗は、見込みに緋襷が付くことになる。

 碗に入っている料理を食べた後に現われる赤い緋襷は強烈な印象だ。

 好き、嫌いが分かれるところでもある。

255w800  反対に、高台部分の緋襷は、棚板に敷いてある藁次第であるから、付くこともあれば、付かないこともある。

 この碗はすっきりした緋襷が付いた。

 

 碗の形も緋襷の模様もなかなか思うようにいかない。単純なものほど難しいということだろう。

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2009年3月 7日 (土)

青空が気持ち良い

 今日は何日ぶりかで青空が広がった。春の陽光が心地よい。このところの雨模様で、西大寺観音院裸祭りの後行われている「後祭り」の人手がさっぱりらしい。この不況と重なって出店している業者は泣いているという話を、いつものお茶屋さんで聞いた。例年なら骨董市や植木市で賑わうのに寂しい限りだ。残念に思う。

 さて、昨夜の送別会から一夜が明けて、今日は姉のところに留守番に行った。姉は急なお葬式の参列で出かけなければならなくなり、今日予定されていた光ケーブルの工事の立会いを頼まれた次第である。本当なら昨日工事の予定だったけれど、午前中の激しい雨のため工事が中止され今日に変更された。

 3時間ほどかかって工事は終わったが、工事業者の人は昼食も抜きで仕事をされ、終わるとすぐに次の予定に飛んでいかれた。仕事とはいえ頭が下がる。

 姉の家の玄関脇で春の花が満開だ。桜草の種類だと思う。

244w800  満開の春の花。花の周りで羽音がしていたから、どうやら日本ミツバチも来ていたようだ。暖かい日和には日本ミツバチが活発に活動しているのだろう。

 明日はパソコンの光回線の設定に来ることになっているから、見に行こうと思っている。

 こんなに暖かい陽気になるとあちこちでお茶会が開かれる。陶芸家にとって茶道具を作ることは最後の目標になるが、茶人に好まれる道具を作ることはなかなか難しい。主も茶碗とか水指とか茶入れとか建水とか作るけれど、何とか使える道具は建水と菓子器くらいだ 

 今まで結構茶碗を作って見たものの使えるものは数えるほどしかない。その点「建水」や「菓子器」比較的使えるものが多い。

248w800  落柿窯作「備前菓子器」。

 サイズは7寸。小間の茶席用ほどの大きさだから、2畳の落柿窯の茶室にちょうど良い。

 焼成はボタに緋襷。周辺部は窖窯特有のぱらぱら降った胡麻。

249w800  落柿窯作「備前平菓子器」。

 サイズは6寸。これも上の菓子器と同じ使い方でよいと思うが、平鉢として料理をのせても良かろう。

 焼成も上の菓子器とほぼ同じである。

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2009年3月 6日 (金)

送別の宴

 今夜は職場の親しい仲間たちが定年退職する主のために送別の宴を開いてくれ、最後には豪華な花束まで用意してくれていた。

 今夜の宴の料理を紹介する。

225w800  一品目 

 226w800

二品目

227w800  三品目

 

228w800  四品目

229w800  五品目

230w800  六品目

231w800  七品目

232w800  八品目

233w800  九品目

241w800  本日のお品書き

 美味い料理と楽しい会話を堪能した。

238w800  贈られた豪華な花束。早速自作の壷に入れた。

 工房がかぐわしい花の香りに包まれている。

 仕事を全うして卒業することはうれしいが、仲間との別れはやはり寂しさが残る。

240w800  最後まで職務を全うできたことに感謝、ここまで生きて来られたことに感謝、そして何よりもよき仲間たちに感謝、感謝である。

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フキノトウ

 昨夜来の暖かい雨で工房脇の草むらでフキノトウが咲き出した。数日前にはまだ蕾が多かったけれど、啓蟄を過ぎて暖かい雨が降ると草木は一気に活動を始める。従妹の工房の前のチューリップも大きくなっていたし、母屋の庭では遅咲きの椿もボツボツ咲き出した。サンシユの花も咲いた。いよいよ卒業の春を迎える。

217w800  雨の中でフキノトウが咲いている。農薬とは無縁の場所だから安心して食用にできるけれど、今、主にはその時間が無い。

219w800  チュウリップも葉っぱの形がはっきりしてきた。

 従妹の工房の前にはいろんな花が植えられているから、もうすぐ工房は春色に彩られる。

223w800  小さな赤い花をつける椿。残念ながら名前はわからない。庭師さんが植えてくれたとき、名前を聞くのを忘れていた。

 主の好きな藪椿とは少し趣が違うように思う。

224w800  母屋の庭にあるサンシユも咲いた。歌にも歌われているように春の象徴のような花だから、春は近い。

 

 

 

  今日、主は所要でお休みをいただいたが、今夜は、親しい職場の仲間たちが退職する主のために送別会を開いてくれるから、しばらくしたら出かけようと思っている。

 やっと退職が実感できるようになった。

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2009年3月 5日 (木)

啓蟄

 このところの三寒四温の天候に一喜一憂しているうちに、いつの間にか今日は啓蟄。冬眠していた虫が這い出してくるころとされる。今年の平均気温はずいぶん高めだから、すでに虫たちが活動を始めていると思う。今日の暖かさでは尚更だ。夕方からまたしても雨になったから、虫たちの動きも次第に活発になるだろう。

 主も虫たちに習ってそろそろ動き出さねばならないが、いまだ冬眠から覚めないでいる。

 職場では退職までに済まさねばならないことが山積だから、おかげで最後の最後まで充実した時間が過ごせそうだ。

 さて、今夜の落柿窯の作品紹介は輪花鉢。

215w800  落柿窯作「備前輪花鉢」。

 9寸の鉢。この鉢には何を盛れば良いだろう。ちょっと大きめの鉢だから果物を盛るのが一番似合う気がする。

 春なら手作りの「散らし寿司」を入れても素敵だと思う。

 主は料理はできないが、イメージだけは膨らんでいく。この鉢は料理上手に使っていただきたいと思う。

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2009年3月 4日 (水)

酒盃ー焼酎用

 酒盃には酒の種類によっていろいろな形のものが使われる。最近は日本酒に変わって焼酎が幅を利かせているようだから、酒盃もいろいろだ。

 日本酒には盃にせよぐい呑みにせよ、昔からそれなりの形があるけれど、焼酎にはこれといった決まった形は無いように思う。それだけに形を作る自由度が大きいから作家さんの腕の見せ所でもある。

 下戸の主が酒盃を作ろうとすると端から無理なのだが、それでも少しは要望があるから、いつもイメージだけで作ることになる。だから、ろくなものはできない。

 今夜は、主が焼酎用に作った酒盃をいくつかアップする。酒飲みが見たら失笑の的になるやも知れないが、まあ、見ていただこう。

210w800  落柿窯作「備前焼酎盃」。口辺部に胡麻。高台脇を鎬いでいる。

 

211w800  落柿窯作「線彫備前焼酎盃」。

 面取りをした胴全体に線彫りをほどこした。面白い手触りである。景色も変化があって面白い。

212w800  落柿窯作「備前焼酎盃」。胴をランダムにそぎ落とした盃。口辺部の胡麻が厚い。口当たりも「まったり」している。

 

213w800  落柿窯作「備前焼酎盃」。

 この酒盃も口当たりが良さそうだ。口辺部の胡麻も良く溶けている。

 今日の作品の中ではこれが一番使いやすいと思う。

214w800  落柿窯作「備前酒盃」。

 今日の作品の中で一番小振り。日本酒のぐい呑み程の大きさである。

 この酒盃で呑む酒は、なたしてどんな夢を見せてくれるのだろう・・・。

 

 

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2009年3月 3日 (火)

桃の節句

 今日、3月3日は桃の節句、ひな祭り。女の子の健やかな成長を願う行事だ。

 今夜、主は先日飾ったお雛様に雛あられを供えた。落柿窯に女の子がいれば盛大にお祝いをするところだが、残念ながら老人の一人暮らしだから、雛あられを備えるのがせいぜいである。

206w800  今日は雛あられに愛のシンボルであるチョコレートと春もちおはぎも添えた。器は備前を含めて取り合わせたが、何せ雛人形が小さいから器ばかりが目立つ。まあ老人のやることはこんなものだろう。

 今日は南岸を低気圧が通ったため朝雪がちらついた。膨らみかけた桜の蕾も身を硬くしたに相違ない。強い降りではない、冷たいしとしと雨が一日続いた。夜冷えて雪になってくれないかな・・・と主は秘かに思っている。

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2009年3月 2日 (月)

登り窯の茶碗

 今日は、春が足踏みをしているような寒さだ。明日からまた天気が崩れる予報が出ている。一雨ごとに春が近づくといわれるけれど、このところ雨模様の日が多い。この分だと、気がついたら桜が咲いていたということにもなりかねない。春に向かっては、三寒四温で季節が移っていくから、もう少しの辛抱だろう。

 主の定年退職までいよいよ一月を切った。秒読みに入ったような心地だ。最後まで元気でいたいと思う。

 さて、今夜は懐かしい茶碗を引っ張り出した。主がまだ窯を持つ前だから25年以上も前になるが、友人の作家さんの登り窯で焼いてもらった茶碗だ。

R0010417w800_2  登り窯の茶碗。正面に桟切。他は紫蘇色。いわゆる胴締め形だ。高台は全く駄目だからお見せできない。

 茶はいつもの松昔。今日の菓子は叶匠壽庵の「あも」。

 久しぶりに懐かしい茶碗で茶を点ててみるのもいいもんだ。

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2009年3月 1日 (日)

節分草ー2009,3,1

 二日続きの晴天。今日は朝から割り木が届けられた。先日、割り木屋さんに注文していたのだが、今日の晴天に助けられてスムーズに荷おろしができた。窯を焚くのはまだまだずっと先のことだが、割り木を乾かす必要があるので早めに注文した。しかし、いざ届いてみると、すでに乾いた割り木が来ている。どうも割り木屋さんの思い違いで、すぐにでも焚ける割り木を運んできたらしい。つき返すわけにもいかず、そのまま入れることにしたが、余り良い割り木ではない。次からはこちらの意向をちゃんと伝えなければだめだということを痛感した。

169w800  良く乾いた割り木。この割り木ではこの時期入れる意味が無い。

 焼き物業界の苦しさが割り木屋さんにも影響しているようで、割り木が動かないのだろう、ずいぶん古いものも混じっている。

 この割り木をこのまま長く置くわけには行かないから早く窯が焚けるようがんば労と思う。。

 今日は余りに天気が良いので、午後から県北にある田殿神社の「節分草」を見に行った。昨年はもう少し遅い時期に行ったのだが、今年は一週間ほど開花が早まっていると聞いたので出かけたのだが、正解であった。

 田殿神社の節分草は今最盛期である。

177w800_2  あずき大の小さな花。まるで星屑をちりばめたようである。田殿神社の節分草は地元の人が大切に保護しているので年々群生地を広げている。今年は3区画荷まで増えていた。 

200w800_2  山野草の中で節分草が一番早く咲くから、この花を見ると春がもうそこまで来ていることを実感できる。

195w800  こんな可憐な花が見られる自然はすばらしい。いつまでもこの花が見られる自然環境であって欲しいと願わずにいられない。

204w800  境内に節分草を抱く田殿神社。古くからある由緒正しい神社だ。

 訪れる人を迎えてくれるのは、鳥居の内側に鎮座する狛犬。無住の神社である。

201w800  本殿も小さい。古く苔むして、歴史を感じる建物だ。

202w800  本殿の横に、それぞれに名前がついたお社が整然と並んでいるのもこの神社の特徴である。

 このお社の前が一面節分草の群落になっている。

 

 今日は節分草に出会えた幸福な日であった。

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