備前焼/負の遺産
1000年を越す備前焼の歴史の中で唯一負の遺産は、太平洋戦争末期、軍の命令で「手榴弾」を作ったことだろう。物資が乏しくなり鉄がなくなった一時期、炻器(せっき)と言われる堅牢な焼き締め陶の備前焼に軍が目をつけ、鉄の変わりとして当時の備前の陶工に制作を依頼した。当時は、いくら嫌でも拒否できるものではなかった。結局、備前の手榴弾は使われることがなかったのはせめてもの救いである。現在、実物が備前陶芸会館に展示してある。
当時、製作にかかわった故山本陶秀さん(人間国宝)は当時を振り返って「あんな時代は二度と来てほしくない。」と言っておられる。
平和な焼き物の里にもこんな歴史があるのを見るにつけ、戦争の愚かさ、悲惨さを改めて感じる。
戦後、内外に多くの犠牲者を出した反省から生まれた日本国憲法は、世界に平和の機運が満ちたほんの一瞬の隙を突いて生まれた。
それはまさに奇跡ともいえる憲法である。
この憲法には平和と民主主義の理念が満ちている。今思うと、良くぞこの憲法が生まれたものだと感心する。すなわちこれは人類の英知の勝利である。
この憲法は日本人の宝であると同時に人類の宝でもある。
しかし最近この宝を亡き者にしようとする勢力が台頭してきた。我々国民は、このかけがえのない宝を守り、後世に伝える義務がある。二度と戦争のない社会のためにみんなで汗を流そう。
平和な焼き物の里が二度と手榴弾の製作にかかわることのないように。
焼き物の里は、花入れを、酒器を、茶道具を、食器を、生活雑器を作っていたい。
| 固定リンク
« おはぎ | トップページ | 虫明焼ーY師のこと »



コメント
そうです。
太田光(爆笑問題)の,「憲法9条を世界遺産に」(集英社新書),というまじめな叫びに大賛成です。
このなかでも9条は奇蹟の輝きといっていました。
投稿: 池○ | 2006年9月26日 (火) 22時20分
そう、そうです。
今日の記事を読んで、はっきり言ってくれて すっとしました。
この憲法は絶対まもらなければいけません。変えるなんてむちゃくちゃ
平和な「食卓の備前焼」が続かなければ困ります。
爆笑問題の「戦争論」読んで、勉強中なんです・・・
投稿: ふく | 2006年9月26日 (火) 22時42分