2009年11月14日 (土)

岩紅葉

 主がまだ若かった頃、もう十数年前になるが、秋の「黒部下の廊下」を歩いたことがある。10月も半ばであったと思う。黒部峡谷は紅葉が盛りで、岩肌に張り付いた紅葉が、錦織り成すの言葉通りのすばらしい景色を見せてくれた。

 そんな黒部峡谷の紅葉を彷彿とさせる景色を見せる湯呑みが棚の奥から出てきた。

P1010100v800  落柿窯作「備前湯呑み」。

 まさに 、岩肌に張り付いた紅葉を思わせる景色である。

 荒々しい胡麻は、黒部峡谷の岩肌。真っ赤な緋色は、岩に張り付いた紅葉。白い抜けは黒部川の清流。これでは言い過ぎか・・・。

 今頃、黒部峡谷はすでに雪の中だろう。

 もう一度「黒部下の廊下」の紅葉を見たくなった。

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花比べ

 明日、11月15日は花比べの日。この地方では、この日に合わせてお墓に菊の花をいっぱいお供えする風習がある。

 主も、遅ればせながら、今日、菊を抱えてお墓に行った。周りはすでに菊がいっぱいで、我が家の墓だけが取り残されていたけれど、これで、ご先祖様も安心したことだろう。

 墓地中が菊に包まれている風情もいいもんだ。

 今日の菊は知人にいただいたもの。抱えきれないほどいただいたから姉と分けたけれど、墓だけでなく、仏壇も、工房も菊で満たされている。

P1010096v800  こんなに賑やかな菊の花を入れても、備前の花生けは、ちゃんと受け止めてくれるからすごい。

 工房も菊の香りに包まれた。当分楽しめるだろう。

 さて、これより先、そろそろ窯詰めに入ろうかと、今日は、朝から窯の中を掃除した。窯出し後、一応は掃除をしているけれど、いつも窯詰め前には再度掃除をすることにしている。そんなに汚れている訳ではないけれど、これは気持ちの問題だ。

P1010094w800  綺麗になった窯の中。

 これで安心して窯が詰められる。藁も童仙傍も銀砂も揃っている。明日から詰め始めよう。

 窯詰めは重要な作業だ。これ一つで焼けが決まるといってよい。

 しかし、窯詰めは、主にはけっこうきつい仕事だ。

 

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2009年11月13日 (金)

備前大皿

 このところ、ブログで紹介する作品は、小さいものが多かったように思う。今夜は、久しぶりに大皿を紹介することにした。

P1010085w800  落柿窯作「備前大皿」。

 サイズは43センチ×7センチ。

 これだけ大きいと家庭では使い難い。使うとすれば、これからがシーズンの鍋の具材を盛るくらいであろう。

 これに寿司や刺身を盛るには大人数のパーティーが考えられるが一般的ではない。

 普段、使わないときは邪魔になる。大皿は魅力だが、実際、持つとなると考えてしまう。

P1010086w800  裏は、濃い緋色から薄い緋色に変わる景色が見どころ。高台部分は白く抜けている。

 窖窯の酸化焼成の作品は秋の色合いに似ているから、この季節か良く似合う。

P1010087w800  夏、ふわふわの白い花を付けていたカラスウリが黄色く色づいた。しかし、今年は、残念ながら実をつけていない。赤い実が生ると聴いていたから、ちょっと残念。

P1010088w800  カラスウリの蔓が延びた先にある愛宕柿が大きくなっている。

 愛宕柿は渋抜きして食べるけれど、なかなか上手く渋が抜けないから、主は苦手だ。

P1010091w800  秋の色は、赤や黄色ばかりではない。ムラサキシキブの濃い紫の実が最後の自己主張をしている。

 秋色は、どれもいいね。

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福田路子さんの器ー新作

 今日は、朝方雨が降っていたけれど、昼前から日差しが戻った。しかし、天気は不安定である。

 そんな中、福田路子さんが窯を出すというので見に行った。

 結論から言うと、すばらしいの一言だ。新しい薪窯を得て、福田さんの作品が一段と進化したように思う。

 許可を得て、いくつか写してきたので紹介しよう。

P1010073w800  福田路子作「備前食器」。

 窯出しの最中にちょっと失礼して写したものだ。

P1010074w800  福田路子作「備前耳付きスープ皿」。

 胡麻の状態も緋色も緋襷も申し分ない。

 人気商品のようだから欲しい人は岡山空港で開催される女流グループ「咲楽」の展示即売会にぜひ行って欲しいと思う。

P1010078w800  福田路子作「備前盃」。

 見事に胡麻が掛かりしっかり溶けている。

 影の部分の白い抜けが印象的だ。

P1010076w800  福田路子作「備前カフェオレボール」。

 緋色と抜けのバランスが丁度良い。

 大きさも手ごろだから使いやすと思う。

P1010080w800  福田路子作「備前すり鉢型小鉢」。

 びっくりするほどの焼成である。

 これは、めったに出ない景色だと思う。

P1010081w800  特に裏面には驚いた。胡麻と抜けの片身代わりになっている。赤い緋襷も綺麗に付いた。

P1010084w800  福田路子作「備前ミニ花生け」。

 拳の半分ほどの大きさしかないけれど、この存在感はどうしたことか。まるで深山の岩山である。

 これにはさすがの主もびっくりだ。

 この他にも見事な作品が窯から出ている。これらの作品は、岡山空港で開催される展示即売会に出品されるようだから、見たい人はぜひ行って欲しいと思う。

 それにしても、最近の福田さんの作品の進化には驚かされる。これから益々「福田路子の食器ワールド」が広がっていくだろう。

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2009年11月12日 (木)

童仙傍粉末

 今日は、雨の中休みで、時折晴れ間が見えたけれど寒い一日になった。天気予報では、明日は、また雨になるという。この時期にしては珍しい気象だ。

 さて、今日は、完全休養にしようと思ったけれど、窯詰めの準備に取り掛かる時期に来ていることが気になって、午後から、窯詰めに欠かせない童仙傍の準備をした。

P1010065w800  今までは練り童仙を買ってきていたが、今回は割安の粉童仙を購入して自分で練ることにした。これだと、いつでも必要なだけ造れるから便利だと考えたのだが、いざ練ってみると、これがなかなか大変な作業だ。

P1010066w800  今日は、少しばかり練っただけで音を上げてしまった。先が思いやられるね・・・。

 まあ、これで当面の童仙傍は用意できたから、いつでも窯詰めが始められる。

 今は、毎日が日曜日状態だから、今までのように土・日に限ることもない。ゆっくり詰めようと思う。

 昨日は、秋色に染まる湯呑みを紹介したが、今日は紅を競う湯呑みを紹介しようと思う。

P1010067w800  落柿窯作「備前湯呑み」。

 たっぷり入る湯のみである。

 口辺部から胴にかけて濃い緋色。

 白い抜けに付いた緋襷が印象的だ。

 

P1010070w800  反対側の景色も緋色と緋襷。

 使うに連れて肌がしっとりしてくるから、艶かしく変わると思う。

P1010058w800  木の葉の赤と比べて見劣りがしないほどの緋色はなかなか出ないけれど、この湯呑みは、その紅を競っているように思えるほどである。

 

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2009年11月11日 (水)

秋色に染まる

 昨日から降り続いた雨もようやく上がった。この時期にしては珍しい大雨だったが被害のないことを祈りたい。

 この雨を堺に季節がまた一歩進んだように思う。雨が上がると同時に北よりの冷たい風に変わったから、明日はい一段と寒さが増すに違いない。

 庭の沙羅の紅葉が最後の見頃を迎えている。今夜からの北風で大方散ってしまうだろう。

P1010056w800  今年ほど沙羅の紅葉が美しかったことは無い。

 雨にぬれた紅葉は一段と鮮やかさを増した。

P1010064w800_2  秋色に染まった沙羅の紅葉を緋色の湯飲みに添えてみた。

 落柿窯作「備前湯呑み」。

 窖窯焼成の深い緋色は秋色の木の葉によく似合う。

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2009年11月10日 (火)

酸化焼成

 今日は、久しぶりに本格的な雨になった。天気予報によれば、この時期には珍しい長雨になるというが、乾いた大地には嬉しい雨だと思う。

 さて、昨日は、落柿窯の主が、昔、友人の登り窯で焼いてもらった窯変の花生けをアップした。窯変は登り窯の究極であると思う。

 一方、落柿窯のような窖窯では、あんな窯変は焼けないが、代わりに、窖窯特有の焼成が出来る。

 今まで、何度も、このブログで紹介したり「備前落柿窯作品集」に載せたりしているから、すでにご存知とは思うけれど、今日は、再度、いくつか紹介しようと思う。

P1010043w800  先ずは、備前食器の代表「飯茶碗」。

 落柿窯作「備前飯茶碗」。

 縁に付いた緋色と赤い緋襷が酸化焼成の証。

P1010044w800  見込みには緋襷と、上からぱらぱら降った胡麻が上品な景色を見せている。

P1010045w800  裏から見ると、重ね焼きした様子が分かる。緋襷が良い景色だ。

P1010049w800  次は、備前食器の定番「備前湯呑み」。

 落柿窯作「備前湯呑み」。この湯呑みは汲出し。

 この湯呑みも前の茶碗と同じ景色で緋襷と緋色が特徴だ。

P1010050w800  見込みの景色も飯茶碗と同じだが、この湯呑みの方が鮮明に出ている。

P1010052w800  裏の高台部分の緋襷は賑やか。この湯呑みも重ね焼きしている。

P1010054w800  最後は、備前食器の宝、「備前徳利」。

 落柿窯作「備前お預け徳利」。

 茶事には欠かせないお預け徳利は備前が最高だと思う。

 この徳利は窯変徳利ほどの迫力は無いけれど、景色としては申し分ない。

 備前では、登り窯による還元焼成と、窖窯による酸化焼成の作品が両方楽しめるから、焼き物好きに取っては、たまらない魅力がある焼き物であろう。

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2009年11月 9日 (月)

備前窯変耳付花生

 秋も終わり、初冬の声を聞いてから、ようやく雨になった。それにしても、今年は雨が少ない。畑では、草ばかり元気で、ホウレンソウが元気がない。主の食べ料だけは確保できるけれど、枯れ始めているものもあって心配していたが、この雨で持ち直してくれるとを期待しよう。

 さて、今、備前の売れ筋の定番は食器かも知れない。今まで、備前といえば、花入れ、壷、徳利が大手を振っていたが、まさに、様変わりしたように見える。

 それでも、備前の花入れは、備前の王道であることに変わりはない。

 そんな訳で、今日は、落柿窯の花生けを紹介することにした。

P1010038w800  落柿窯作「備前窯変耳付花生」。

 この花生けは、ずいぶん前の作である。陶印を見ると、主が窖窯を持つ前の作であることが分かる。

 したがって、当然、焼成は今の窖窯ではなく、友人の備前焼作家さんの登り窯に入れてもらったものだ。

P1010039w800  少し角度を変えると、窯変の様子が良くわかる。

 溶けた胡麻が筋状に流れて程よいところで止まっている。

P1010040w800  裏面は、ご覧のように灰被りだ。この胡麻が溶けて黒い筋状に流れた。

 花を入れる時はこちらを表にしても良い。

  表裏は、その時の花によって決める。

P1010041w800  口は、約束どおり矢筈口だ。この部分も一部に窯変が出ている。

 この作品を作った頃は、主も若かったから勢いが感じられる。

 果たして、今、こんな花生けが作れるだろうか・・・。

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2009年11月 8日 (日)

バルンの季節

 今年もバルンの季節が来た。刈り入れを終えた田圃の上空をバルンが飛び始めた。今朝も朝霧が晴れると同時にバーナーの音が聞こえ出した。

P1010029w800  落柿窯の上空に浮かぶバルン。

 毎年、11月に、この町で行われていたバルーンフェスティバルは、今年は中止が決まったという。市町村の財政事情の悪化がこんなところにも波及した。

 今まで、何年も続いて来た行事がなくなるのは寂しい。来年は、是非、復活して欲しいと思う。

 さて、主は、窯焚きのお手伝いの疲れで休養の日になった。工房に出てぼんやりと作品群を眺めていたら、ちょっと変わった色合いの鉢があったので、今日はこの鉢をアップする。

P1010032w800  落柿窯作「備前鉢」。

 水簸していない原土だけで造った鉢だ。この原土の耐火度は高くないから、この作品を見ると、ちょっと行き過ぎたようで、せっかくの緋襷が消えかけている。良く出来た鉢なのにもったいないことだ。

 鉢のサイズは、八寸×三寸。丁度使いやすい大きさ。多用鉢として最も使い勝手の良いサイズである。

P1010033w800  裏面は、炎が直接当たら無かったのか白く抜けている。そのためこの土の性質が良く分かる。

 この鉢の良いところは、縁に工夫があり、しゃもじですくった時、料理が外にこぼれないことだ。

 ちょっとした工夫だが大事なことだと思う。

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2009年11月 7日 (土)

立冬ー窯焚き手伝い

 今日は暖かな立冬である。小春日和の中、主は窯焚きを手伝った。

 姉が主宰してグループ運営している陶芸教室が、薪窯を借りて、自分たちの作品を自分たちで焼くと言うので、頼まれて手伝った。

P1010023w800  窯焚きは楽しい。薪の燃える音、炎の色、匂い・・、どれもが癒しだ。

 今回は、2日だけのお手伝いだったが、楽しい時を過ごさせてもらった。

P1010028w800  1200度を超える窯の中は、美しい神秘の世界が広がっている。これを見ると、窯焚きがやめられなくなる。

 この温度だと、窯の中では、土と炎のぎりぎりの格闘が続いているはずだ。

 落柿窯の窖窯を焚きたくなった。

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